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小型 8cm TLS 作成

Hi-Vi の B3S を使用して、小型TLSスピーカーを作りました。
Hi-Vi B3S TLS Photo (5)
Hi-Vi B3S TLS (2)
Hi-Vi B3S TLS (6)
Hi-Vi B3S TLS (3)
Hi-Vi B3S TLS (4)


図面は、以前に MarkAudio の Alpair5 用として紹介されたものをアレンジしました。
ホーンの開口部の高さを、20mmから11mmへと変更しています。
Hi-Vi B3S TLS (1)

この場合のシミュレーションをしてみました。
結構、良い感じになっています。
Hi-Vi B3S TLS (5)

バッフルは、交換できるようにしました。
違う 8cmユニットを交換バッフルに取り付けて、聞き比べることができます。
Hi-Vi B3S TLS Photo (2)

完成したのが、この写真です。
10本の木ねじで、バッフルを止めています。
Hi-Vi B3S TLS Photo (3)


現在では、ダイニングの食器棚の上にセットして、
        iPad のネットラジオをかけています。
Hi-Vi B3S TLS Photo (4)





 
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8cm TLSスピーカーの試作

1. 設計編

最近、TLSスピーカーについて少し勉強しました。
TLSスピーカーとは、トランスミッションライン型スピーカーと
日本語訳されていますが、簡単に言うと、逆ホーンのスピーカーです。
その目的は、簡単な仕組みで今まで以上に低音を良く出るようにすることです。

オーディオ愛好家は昔から、どうすれば低音再生能力を高められるか
ということについて、知恵を絞ってきました。

例えば、直径76cmもある巨大な低音用スピーカーを使ったり、
あるいは、長さ10mもある低音用のホーンをコンクリートで作ったりする様なことが、
雑誌の記事に取り上げられていました。

しかし、貧乏学生だった私には、どれもこれも夢物語のようなことで、
現実離れしたものばかりでした。

でも、時代が流れて技術が進歩してきた現在では、直径8cmのスピーカーを
幅11.4cm、高さ70cm、奥行20cm程度のTLSにすれば、
信じられないくらいの低音が出るという理論になっています。

さて、前置きはここまでにして、試作の記録を書くことにします。

使用するスピーカーは、Peerless社の830987を使用することにします。
このユニットはデンマーク製で、いわゆるヨーロピアンサウンドです。
これで、どれくらい豊かな低音が出せるかに挑戦してみたいと思います。

まず、ネットの製作事例などを参考にして、シミュレーションをしてみます。

830987 TLS Simulation
この結果(入力1W時)を見ると、
ホーンの長さ117cm、
ホーン入口断面積の半径8.94cm、
ホーン出口断面積の半径2.0cmで、
37Hzまでの低音が十分に出せる計算です。

この時の、振動板の振幅は34Hz以上で凡そ4mm以下に納まっています。
使用するスピーカーの振動板のXmax(直線運動範囲)は2mmですが、
最大振幅は一般的にその2~4倍ありますので、問題ありません。

これらの数値から、具体的なボックスを設計していきます。
Excelの計算機能とマクロを使って色々な場合の
ボックスのサイズや図面を簡単に作れるようにしました。
830987 TLS 設計図

図のピンク色の部分は、シミュレーションで得られた数値を入れます。
また、レモン色の部分は、自分で適当な数値を入れます。
すると、それ以外の数値が自動計算されます。
板厚・幅内寸・奥行内寸を色々変えてみて、気に入った寸法になったら、
マクロを呼び出して、図面を書かせます。
斜めの線はうまく位置合わせができないので手作業で合わせます。
それから、補強板というか整流板の様なものは、どこかの作例にあったので、
後から、付け足したものです。

これが出来たら、板取図を描きます。
これも、別シートのセルに寸法が自動計算されるように、
セル内容をリンク形式で参照しています。
また、このシートの結果から板取図を描くマクロも作りました。
830987 TLS 板取図
板の寸法から、はみ出した場合などのチェックはしていません。
そのような時は、マクロの内容を書き換えて、うまく収めます。

この図面が完成したら印刷して、ホームセンターへ行き、
板を購入したついでに、カットしてもらいます。


2. 製作編
今回は、TLSの試作ということで、費用節約のために、
ホームセンターで厚さ12mmのシナ合板を購入し、
直線カットだけをしてもらいました。
スピーカーユニットを取り付ける大きな丸穴は、
ドリルでは無理ですので、自在錐という工具を使いました。
開けたい穴の寸法を自在錐の目盛に合わせてドリルに取り付けます。
それの中心軸が穴の中心と合うようにして開けます。
830987 自在錐1

斜め板の上部は、うまく取り付けられるように、鉋をかけます。
830987 斜め板

組立は、バスレフや以前作ったTQWTに比べて
特に難しくはありません、
但し、側板に挟まれる部分の板の幅が同じでないと
隙間ができてしまうので、注意が必要です。
私の場合は、天板・地板、バッフル上下・裏板の幅それぞれが
微妙に違っていて、最大2mm近くの誤差がありました。
ホームセンターでのカットですので、この程度の誤差は仕方ありません。
一番小さい幅に合わせて、全部鉋をかけて揃えました。
ここの作業を済ませてから、ようやく組立に入ります。
天板とバッフル上、地板とバッフル下をまず接着します。
この時は、曲尺を当てて直角にすることが大切です。
830987 直角に接着

この後、部品を片側の側板の上へ接着していきます。
最後にもう片方の側板を接着しますが、
その前に、吸音材の取り付けと、内部配線を忘れないようにします。
830987 内部の様子

全ての組立が終わったら、接着剤が完全に硬化するまで一昼夜くらい置きます。
それから、表面の仕上げをします。サンダーやサンドペーパーで木目を整えてから、
塗装したり、オイルを塗ったりします。
私は、バッフルと天板をアイボリーで塗装しました。
それ以外の部分は、木の質感を生かして木工用蜜蝋クリームで仕上げて
ツートーンにしました。
(本当は、バッフルにサンダーをかけすぎてシナの突板部分を削ってしまい、
下地のラワンが見えてきてしまったため、仕方なくそうしたのですが…)
830987 セッティング

さて、配線をして設置したら音出しです。
初めて出てきた音は、お世辞にも良い音とは言えませんでした。
高音がキンキンと出しゃばり、ボーカルは奥へ引っ込み、低音はスカスカでした。
エージングで多少は何とかなるとは考えましたが、それだけでは駄目だと思いました。

設計を見直してみました。
ホーンの長さと、ホーン入口の断面積は変えようがありませんが、
ホーン出口の断面積は、少しくらい変更が利きます

シミュレーションしなおしてみると、ホーンの出口をもっと広げた方が、
低音のレベルが上がってバランスがよくなりそうです。
830987 TLS Simulation 改


最初の設計では、ホーン出口の円の半径は2cmでしたが、
それを3cm前後にすると良いシミュレーション結果となりました。
バッフルのスリットの下側をトリマーで削って、
スリットの幅を12mmから25mmに広げてみました。
計算すると、
  √(9cm x 2.5cm) / π ≒ 2.78cm
です。
この場合、50Hzでの音圧(音の大きさ)は最初のシミュレーションの場合の
78.4dBから81.6dBへと3.2dB上昇します。
なじみのある数字に置き換えると
  10の(3.8 / 10)乗 ≒ 2倍
となります。

つまり、50Hzでの音量が計算上は2倍に大きくなるわけです。
次に、高音がキンキンするのとボーカルが前へ出てこないことの対処ですが、
経験から、これは主にエージングで良くなると思いました。

SPユニットが新品のうちは、本来の音が出ません。
これは、振動板を丸く囲むようにしているゴムの部分
(エッジとかサラウンドと言います)や
振動板の裏側の中心近くを支えている波状の部品
(ダンパーとかサスペンションと言います)が
硬くて振動板の動きを妨げているからです。
830987 Unit Upside 830987 Unit Other Side
これらがしなやかになって、
振動板が滑らかに動くようになるのには、時間がかかります。
一般的には50~100時間、
大きめの音でスピーカーを鳴らすと、エージングが進んで、
本来の音が出るようになります。

やはり私の場合も、エージングをし始めて50時間を超えたあたりから
音の出方が変わってきました。
シンバルや女性ボーカルのサ行の聞こえ方が優しく自然な鳴り方に変わりました。
男性ボーカルは厚みが増して、前へ出てくるようになりました。
ベースやドラムスもよく出るようになりました。

吸音材は、少し追加しました。
SPユニットのすぐ裏側に入れることで、さらに滑らかさが加わったように思います。

3. 総括

私の作ったTLSの場合でのまとめをしておきたいと思います。

・TLSは、大きな密閉箱に
  低域で共振を利用したブーストを付け足したような周波数特性となる。
・低域の共振周波数以下の音圧低下が緩やかで、違和感がない。
 → バスレフやバックロードホーンは、再生限界以下の低音がスパッと出なくなる。
830987シミュレーション比較 TLSとバスレフ
・低音再生は、SPユニットのfs(f0)[最低共振周波数]の半分程度まで可能。
・SPユニットのQts[トータルの共振の鋭さ]は、0.45~0.7が適当。
 小さいと低音が出にくく、大きいと低音が盛り上がる。
 → 一般的なバスレフ用のSPユニットが利用可能。
・ホーンの長さは、80cm~120cmが適当。
 → 無理に低音再生限界を低く設定すると、音圧レベルが下がってバランスが崩れる。
・ホーン入口断面積の半径は、SPユニットの有効振動半径の2.5倍~3.0倍が適当。
・ホーン出口断面積の半径は、SPユニットの有効振動半径の0.2倍~1.0倍が適当。
・音の特徴は、残響が少なくクリアですっきりした音。モニタースピーカーの音に近い。
 ドラムの連打やベースのスタッカートが気持ち良く聞ける。
 音の立体感があり音像定位がよい。
 
※ つまり、私が今まで色々な形式のSPボックスを作ってきた中では、
  最も好みに合うものです。

今、このスピーカーで好きなジャズのインターネットラジオを流しています。
最初に聞いた時の、酷いとしか言いようのない音から比べると、非常に良くなりました。

TLSの試作としては、苦労や設計の不具合もありましたが、
最後には期待に沿う出来栄えとなって、満足しています。


補足
   寸法変更後の設計図と板取図
830987 TLS 設計図 改
830987 TLS 板取図 改


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>>>>> dB(デシベル)という単位についての解説 <<<<<

[豆知識]
dBという単位は、非常に広範囲の数値を表現するのに便利なものです。
つまり、対数表示を単位としたものです。
生物の感覚も、対数的な変化の感じ方をするといわれます。
音の大きさや明るさなどがそうです。

[本題]
d(デシ)の部分は1/10を表現します。 
10dL(デシリットル) = 1L(リットル)と同じです。
B(ベル)の部分は、かの電話を発明した科学者のベルにちなんで作られた単位です。
つまり、10dB(デシベル)=1B(ベル)となります。
では、1ベルとは何なのか、ということですが、
これは数値を10を底とした対数で表現したものです。
 例)
    2 → log2≒0.3 よって、2は約0.3B つまり 3dB となります。


 

マイクロSPシステムの製作 その4               ネットの作成と トレイへの設置

ジャージーネットが、まだ未完成だったので
作りました。
ジャージーネット

材料は、カット材と一緒に注文しておいたものです。
ネットは、落ち着いたブラウンを選びました。

作り方は、以前の記事と同じです。
枠を作って、ネットを張るだけの物です。

本体との接合方法も、マグネットと画鋲で、
前回と全く同じです。

小さいので、すぐにできました。


それから、あちこちに持ち運んで音楽を聴きたいので、
100円ショップで見つけた、水切りトレイに載せました。
セッティング例1

セッティング例2



底面がすのこ状になっているので、
やはり100円ショップの、階段の滑り止めシートを敷きました。

ケーブルやACアダプター、テーブルタップは、
結束バンドで、結んで束ねました。

スピーカーは、倒れないように上に桟を置いて、
それをビニールひもで、トレイに結び付けました。
セッティング例 上面から

これで、電源さえあれば、どこへでも持って行けて、
コンセントに差し込むだけで、音楽を聴けるようになりました。

ブルートゥース接続なので、音源となるスマートホンや、
タブレットは、同じ部屋の中にあればOKです。

小さくて軽いので、持ち運びも楽です。
音楽を楽しむシーンが広がって、大変満足です。


 

マイクロSPシステムの製作 その3 製作編

ここでは、製作と試聴について書きたいと思います。

まず、カット材の発注をします。
例によって、米屋材木店さんにお願いしました。

板の材質は、9mm厚のロシアンバーチにしました。
フィンランドバーチよりもお値打ちで、よい響きです。

年末年始の繁忙期にも関わらず、一か月で納品されました。
2ペア分注文したのですが、小さなダンボールに入って届きました。
本当に小さいものが出来るんだなと、感じました。

サイズと、枚数が注文どおりなのか確認して、組立に入ります。
ND65-4 バスレフ 製作途中

板の厚みが薄く接着面積が小さくて、木工ボンドでは強度が足りないと思ったのと、
組立時間を節約するために、ゼリー状の瞬間接着剤を使用して組み立てました。
(2ペア分4台作るので…)

接着剤が手に着くと厄介なので、使い捨てのゴム手袋を使うと便利です。
合成ゴムの手袋100枚入りがアマゾンだと840円程度で買えます。
(天然ゴムの物は安いですが、破れやすいし体質によってはかぶれたりします)

組立に入って、バスレフダクトの注文寸法が間違っていて、
高さ用の物の幅が広すぎることに気づきました。

仕方がないので、井桁に組んで余分なところをカットしました。
(表示図面の寸法は訂正したものになっています)

もう一つ、予定外のことがありました。
バッフル穴にSPユニットを合わせてみたところ、端子の部分が干渉して入りません。
ユニットの説明書には、そのことについて何も書いてありません。
いかにも、大雑把な感覚のアメリカ人が作った図面だなと思いました。

端子部分のサイズを測って、幅35mm、深さ5mm程度の
四角い切欠きを鋸とノミで作りました。
これで、ユニットがピッタリと入るようになりました。

この後は、順調に組立が進みました。
朝から、始めて昼過ぎまでに組立が終わりました。

午後からは、ボックスの仕上げを行いました。
サンドペーパーがけの後、木工用蜜蝋クリームを塗って仕上げました。

最後にSP端子とユニットをケーブルで接続してねじ止めしたら完成です。

出来上がってみて、まあ小さいこと。手の平に乗るくらいのサイズです。
これで、本当に予定通りの音が出てくるのか心配になりました。
ND65-4 バスレフ デスクトップへセッティング

早速、アンプにつないで音を確かめました。
聴くのは、フランスのエレクトロ・デュオ、ダフト・パンクの
「ランダム・アクセス・メモリーズ」というアルバムです。
(このアルバムは、先日のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した
 音楽性豊かなものです。また、彼らの「ゲット・ラッキー」は、
 最優秀レコード賞も受賞し、グラミー賞二冠に輝きました。)
Random Access Memories

なんと、心配をよそに一丁前の音が出てきました。
予想通りに低音の量感があって、ボリュームを上げると結構な迫力です。
試聴距離が1mほどのニアフィールド用スピーカーには最適だと思います。

また、材料を9mm厚のシナ合板に変えて、
ホームセンターで購入・カットすれば、とても安く作れると感じました。

ただ、ホームセンターでのカットは、小さい寸法ほど精度が出にくいので、
仕上げが少し大変かなと思います。

でも、自作の苦労は楽しみでもあるわけで、出来上がりを想像しながら、
工作するのは、それはそれで良いものだと思います。


 

マイクロSPシステムの製作 その2 設計編

ここでは、詳しい設計について、お話ししたいと思います。

まず、使用するスピーカー選びをします。
小さなボックスでも、十分に低音が出せるものを探しました。

色々ネットで調べて、アメリカ Dayton社のND65-4というSPユニットを
見つけました。

Dayton ND65-4 Data Seat

ユニットの口径が65mmで、振動板は酸化処理をしたアルミニウムです。
大型のネオジウムマグネットを使っていて、振動板を強力にドライブします。

ユニットの最低共振周波数は、84.1Hzで、このサイズのユニットとしては
驚異的に低い値となっています。(一般的にこの口径では200Hzくらい)

また、振動板の最大振幅が3.5mmもあって大振幅でも歪が低い設計となっています。
そこで、このSPユニットを使うことに決定しました。

(余談ですが、一般論としてアメリカン・サウンドは低音がたっぷりとしていて
量感がある音に対して、ヨーロピアン・サウンドは高音がよく出て爽やかな音です)

ボックスの設計は、専用フリーソフトのSpeaker Editorを使いました。
バスレフ形式にして、低音の増強を図っています。板厚は9mmとしました。
ND65-4 バスレフ設計図

ボックス内容積は約2Lとし、サイズは幅104mm、高さ194mm、奥行164mmです、
バスレフダクトは、幅25mm、高さ12mmで長さは120mmとしました。
これで、バスレフの共振周波数は60Hzになります。

周波数特性のシミュレーション結果も調べました。
実用周波数範囲は、45Hz~20,000Hzとなりました。

特に、55Hz~500Hzあたりのサウンドレベルが高くなっていて、
いかにも、アメリカン・サウンドという感じです。
早く作って、どんな音なのか聴いてみたくなります。


 
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